『スパイダーマン』の宿敵ヴィラン事モービウスを主人公にした、スピンオフ作品です。
マイケル・モービウス(ジャレッド・レト)は、人工血液の開発によってノーベル賞を受賞した天才医師。彼は幼いころから血液の難病の治療を受けて苦しんでいた。ある日、同じ症状を持つマイロが入院してきて親友となる。マイロを救い自分を救うために、モービウスは医者になる決心をする。時は過ぎ、マイロ(マット・スミス)は家業を継いだ大富豪となり、モービウスの研究パトロンになる。その成果が人工血液の開発であったが、未だに難病に苦しむ二人には効果がなかった。そしてモービウスはある決断をする!それはコウモリの血清を投与するという危険すぎる治療法だった。自身の躰を実験台にして投与した結果、躰が激変するモービウス!歩くこともままならないモービウスの躰は、全身から力がみなぎり超人となった。しかし、その代償として抑えきれない<人間の血への渇望>がはじまったのだ。モービウスの肉体の変化を知ったマイロが、自分も生きるために血清を投与してくれと懇願するが、あまりに危険なので断るしかない。しかし、NYの街では次々と全身の血が抜かれる殺人事件が勃発しはじめた。愕然とするモービウス。マイロのことが頭をよぎったのだ。しかし、容疑者として警察にマークされたのはモービウスだった・・・。
スピーディーな展開でけっこう楽しめる作品に仕上げている内容でした。『バットマン』のように暗い内容を予想していたのですが、こちらの作品は完全にエンタティナーに徹していたのが成功の原因であると思います。はじまりのシーンから観客の心を捕らえるテクニックは見事で、後は一気呵成に物語を進ませる手法は娯楽映画を見る楽しみを心得た展開になっているのです。しかし、クライマックスではCG描写に頼りすぎ失速気味になったのは残念でした。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半差し上げたい作品でした。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
©2024 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.