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2022/04/19
「ハリー・ポッター」シリーズの前日譚であり、魔法動物をこよなく愛する魔法動物学者ニュートと、「ハリー・ポッター」でお馴染みのダンブルドア先生の冒険を描くシリーズの3作目の作品となります。ホグワーツ城や「ハリー・ポッター」シリーズのなじみの場所も多数登場しますよ!前作と同様、脚本は原作者のJ・K・ローリングが担当しています。
黒い魔法使グリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)の野望はますます進み、魔法界と人間界の両方を支配しようと図る計画を立てはじめた。かつて若き日、グリンデルバルドと無二の親友であったダンブルドア(ジュード・ロウ)は、グリンデルバルドに手出しできない秘密の事情があったのだ。窮余の一策として、ダンブルドアは「ホグワーツ魔法学校」の教え子であるニュート(エディ・レッドメイン)を呼び寄せて、グリンデルバルドの野望を挫くため、魔法使いと人間の混成チームを作ることを依頼する。それは、ニュートの特異な才能であるどんな魔法動物をも手なずける技術を、絶対に必要としたからなのだ!!ダンブルドアが、ニュートとチームメンバーとして選んだ、魔法使いと人間の混成チームの各々の才能を生かす活躍がはじめられるが・・・。
この「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主人公は、魔法動物を愛するシャイな性格の青年ニュートのすっとんきょうな冒険話のはずだが、ダンブルドアの登場から2人の主人公になってしまったような内容に変化してしまった。そうなると当然のことながら、同じ配分で主人公ふたりを活躍させなければならない羽目に陥り物語の整合性<ニュートが主人公!>が取れず、うす味のスープを飲まされるような、見るものにとって面白味が薄れる内容になってしまったと思う。そうなると頼るのは、派手なCGの乱用になり負のスパイラルとなり、ますます本来の主人公であるはずのニュートは、ダンブルドア<「ハリー・ポッター」シリーズで知名な>に食われてしまう存在になっていたのだ。
ぼくのチケット代は、1800円出してもいい作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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