紀元前2Cに中国全土を制圧した、秦の始皇帝が誕生するまでの道程を描いていく原泰久のベストセラー漫画を映画化した2作目の作品です。
弟の跡目争いに勝利した『秦』のエイセイ(吉沢亮)だったが、その半年後突如として隣国の『魏』が襲いかかってきた。決戦の地ダカン平原で、一兵卒の歩兵として派遣されたシン(山崎賢人)は、歩兵五人組の一人として同郷のビヘイ(岡山天音)、ビトウ(三浦貴大)兄弟と謎の少女キョウカイ(清野菜名)らと、猪突猛進将軍として勇名をはせるヒョウコウ大将軍(豊川悦司)の下で戦いに参加する。しかし、シンらが決戦の地に着いた頃、戦いの帰趨を決める場所の丘を『魏』軍に占拠されており絶体絶命の状況に陥っていたのだ。エイセイの下にとどめ置かれたカリョウテン(橋本環奈)は、逐次報告される苦戦の状態にシンを心配するしかなかった。そんな不利な状況の下でもシンは元気いっぱいで、敵軍の大群に躍り込み、目を見張るような華麗な剣技を見せるキョウカイと共に戦い続ける。それに勇を得たシンが配属された隊を指揮する千人隊長バクコシンは、無謀とも思える突撃命令を下すのだったが・・・。
ダカン平原の攻防をめぐっての両軍の大群同士の死闘や、『魏』の装甲馬車隊の歩兵隊をすり潰しながら進む大バトルの手に汗握るスペクタル・シーンを織り交ぜながら、シンの野性味あふれる戦いを中心に描いていくこの作品は、原作の漫画ファンもシンの大活躍と共に、大事な登場人物のキョウカイの出現にこれぞ!!『キングダム』と満足させる仕上がりになっていたと思う。今回は、ほぼ全編にわたってダカン平原の『秦』と『魏』の死闘を描きながら、シンとキョウカイの活躍を中心に据えた物語になっているので、エイセイの出番は少ないが吉沢亮の王としての貫禄たっぷりの演技は見物の一つとなっていたのです。
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、4ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
©2024 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.