スティーブン・スピルバーグが監督した『ジュラシック・パーク』の大ヒット作品から、タイトルを変更した『ジュラシック・ワールド』シリーズの、併せて6作品目の作品です。デジタル革命で映画特撮CG技術の向上により、さながら生きているかのように大画面で躍動する恐竜の動きに圧倒されつづけたシリーズの最終章となっています。
『ジュラシック・ワールド』があった、イスラ・ヌブラル島が火山の噴火で壊滅し、島から救出された恐竜たちが、世界中の各地に解き放たれて4年の歳月が過ぎていた。そんな恐竜の保護活動を今だ続けるオーウェン(クリス・ブラッド)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、メイジーという少女と共に人里離れた山小屋で暮らしていた。島から離れるときに連れていった、ブルーと名づけた小型の恐竜は、森に解き放ち野性化して子どもを育てていた。ブルーの種族竜は単体で子どもを産むことができるのだ。さらにメイジーは、ある事情から生まれたクローン人間だった。悪徳企業から、メイジーとブルーを守るため、ふたりは森の奥深い場所で暮らしていたのだ。しかし、メイジーとブルーの子ども竜が誘拐されてしまい、オーウェンとクレアはあらゆるツテをたどり救出に向かう。その結果誘拐した相手は、巨大バイオテクノロジー企業「バイオシン」の秘密の研究所と判明し、ふたりはその場所に向かう。その頃、イナゴの巨大化を調べるサトラー博士(ローラ・ダーン)とグラント博士(サム・ニール)も「バイオシン」社の仕業を怪しみ研究所に現れる。おたがい旧知の間柄のコンビは協力しあって、メイジーとブルーの子ども竜の行方を捜すのだが・・・。
オーウェンとクレアの、メイジーとブルーの子ども竜の救出劇がメインの内容だが、最終章と銘打っただけに、『ジュラシック・パーク』の主要登場人物の行動や、あらゆる恐竜を総動員させて暴れ回るシーンを間に挟み、さらにオーウェンと恐竜の追いかけゴッコなど、本筋を離れるてんこ盛りの大サービスを数多く挿入されるので、肝心のメインの内容がかすんでしまって、この話はどこに進むのか?頭を混乱させる作品となっていたのだ。サービス過剰とは、こんな作品をいうのだろうと思う内容になっていたのです!!
ぼくのチケット代は、2000円ぐらいかと思う作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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