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1640日の家族

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   2022/08/09

衛藤賢史のシネマ教室

ファビアン・ゴルジュアール監督が、幼少期に両親が里子を迎えて、4年半一緒に暮らした実体験を基に映画化した作品です。

愛する妻に死なれたエディ(フェリックス・モアティ)は、傷心の余り生まれたばかりの子どもを、養護施設に委託する。その生後18ヶ月のシモンを受け入れた、里親のアンナ(メラニー・ティエリー)と夫ドリス(リエ・サレム)は、実子のアドリとジュール同様シモンを慈しみ、アンナの家庭の4年半の至福の歳月が流れた。6歳になったシモン(ガブリエル・パビ)は、自分が里子と教えられていたが、幼い頭はその意味が分からない。アドリやジュールは自分の兄弟であり、アンナは自分の愛する≪ママ≫だったのだ!!そんなある日、生活の立て直しを図ったエディが養護施設の書類にパスして、施設を通じてシモンを手元で育てたいという申し出が、アンナ一家に通達される。シモンの幼い気持ちを慣れさせるために、週末ごとにアンナ一家とエディのアパートを行き来させる生活が始まった。むずがるシモンに、悲しみの気持ちを抑えて説得するアンナだったが・・・。

『生みの母より、育ての母』という言葉があるが、それを地で行ったような切ない実話を基にした作品でした。アンナを演じるメラニー・ティエリーの、愛情あふれる母として精神的葛藤の演技に涙し、シモンを演じるガブリエル・パビちゃんの可愛らしい無垢な天使のような演技にのせられ、余韻がいつまでも残る作品となっていました。フランスの里親制度は知らないので、この制度における感想は問うことなく、純粋に母と子の愛情の発露に思いを寄せる作品として見ました。施設の諮問会で、アンナがシモンから≪ママ≫と呼ばれるのに注意を与えられるシーンに、確かに法的には納得せざるを得ないと思いながら、アンナの視点から見ている私たちは、正直な気持ちとしてアンナ同様反論出来ずムッとしたのではないでしょうか。

ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。

星印は、4ッさしあげます。

5点満点中4点 2300円

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