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TANG タング

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   2022/08/16

衛藤賢史のシネマ教室

デボラ・インストール原作のイギリスの小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』を、金子ありさが日本風にアレンジした脚本で、三木孝治が監督したファンタジーな作品です。

ある理由から、希望に満ちた医師への道を自分から閉じた春日井健(二宮和也)は、ゲーム三昧の毎日を送るダメ男になっていた。愛する妻で弁護士の絵美(満島ひかり)の励ましにもかかわらず、無気力な健の生活は収まらない。そんなある日、健の家の庭に記憶をなくした迷子のロボット・タングが突然現れる。ポンコツ姿の旧式ロボット・タングに健は呆れてしまうが、タングはなぜか健になつく。AI機能を持つタングは、自分の大事な記憶を失っていたが、健の本来の心根のやさしさを探知能力で察していたのだ。人間の持つ感情などないはずのタングだったが、タングにだけ本音をはける健の言葉で刺激を受け、AI学習能力の機能によってタングはしだいに人間らしい感情を会得していく。そんなタングを見捨てられず、健はタングの自分探しへの旅へと向かう。その結果、タングが失った記憶には、ロボット工学の世界を変える秘密が隠されているのが、しだいに判明してくる。福岡・深セン・宮古島へとつづくポンコツ同士の健とタングの自分探し冒険の旅の果てに、ふたりが見つけた大事なものとは・・・。

たぶん近未来的アドベンチャー・ファンタジー話と思われるこの作品は、ハラハラドキドキさせるものでなく、欠陥だらけのポンコツ同士の人間とAIロボットとの、人間らしい感情の交流を通じておたがいを認め合える世界観をテーマにした内容になっているのだ。だから唐突に進む話など無視して、そんなほのぼのとした話を楽しむことが肝要だと思って見てください。

ぼくのチケット代は、1800円出してもいい作品でした。

星印は、2ッさしあげます。

5点満点中2点 1900円

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