東野圭吾の、変人だけど天才的頭脳を持つ物理学者・湯川学が推理する「ガリレオ」シリーズの、「容疑者Xの献身」「真夏の方程式」につづく劇場版第三作目の作品になります。
またしても警視庁捜査一課の刑事・内海薫(柴咲コウ)が、天才物理学者の湯川学(福山雅治)のもとに訪れた。今回の案件は、行方不明になっていた女子学生が数年後に全く別の場所で遺体となって発見された事件のことである。数々の物証から犯人と目された蓮沼(村上淳)という男は、かつて草薙俊平(北村一輝)が若い頃担当した少女殺害事件で、草薙の取り調べに<完全黙秘>を貫き無罪を獲得した男だった。蓮沼は今回も<完全黙秘>を貫き証拠不十分で釈放され、厚かましくも町に居座る。草薙の固く心に閉じていたトラウマは激しく、捜査で暴走する心配を薫はして、湯川に頼ったのだ。そして、透き通るような声でプロ歌手を目指していた女子学生を可愛がっていた、結束の固い町の住民の、蓮沼を憎む不穏な空気が漂うなか、町を挙げての【夏祭りのパレード】当日、町に居座った蓮沼が殺された。町の全員に動機があると同時に、全員のアリバイが完璧な中、草薙・薫らの警察捜査に関係者の全員が沈黙するというむつかしい条件に陥った事件に、果たして湯川はその裏の事情を解き明かせるのか・・・。
おなじみの『さっぱりわからん』の言葉を吐きながら湯川が、難解な事件をバッサリと解いていく過程を楽しむ、現代版のトーヤマ・キンさまシリーズのこの作品は、期待通りにケレン味たっぷりなシーンを詰め込み、ワクワクしながらそれを楽しもうとする観客にサービス満点な内容に仕上げてきていたのだ。はてな?なんてツッコミどころをあげつらう映画でないのだ!要は、湯川演じる福山雅治のダンディぶりや、湯川のバディ的存在の薫演じる柴咲コウのコミカルな演技を楽しめば良しとする、後味サッパリの娯楽映画として楽しむ作品なのです。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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