直木賞を受賞した佐藤正午による同名小説を、廣木隆一監督が映画化した作品です。
八戸出身の小山内堅(大泉洋)は、東京の大学で同じ八戸の高校の後輩、梢(柴咲コウ)と知り合い結婚して東京の著名な会社に勤めて、高校生に成長した愛する一人娘の瑠璃(菊池日菜子)との三人家族での幸せな家庭を築いていた。しかし、梢と瑠璃が交通事故で亡くなり絶望した堅は、会社を辞職して故郷に戻り働いていた。そんな心の傷を抱えたままの八戸の堅のもとに、見知らぬ三角哲彦(目黒蓮)という男が東京から突然訪ねてくる。そして、哲彦は事故当日に堅の娘・瑠璃が全く面識のない自分に会いたいと連絡してきたことを告げながら、彼が大学生の頃の1980年(堅と梢が結婚した年)に偶然出会い、自分が狂おしいほど愛した『瑠璃』(有村架純)という女性について語り出す。【愛し合った一組の幸福な夫婦】と【許されざる恋に堕ちた一組の恋人たち】との、まったく関係がないように思われる二組の出来事が交錯するとき、【満月】と【新月】の『月の満ち欠け』のような奇跡が生れたのだった!
この作品は、小説を読んでない観客に内容を詳しく述べると、ネタバレしすぎるので、これくらいの簡単な説明にとどめておきます!交錯する二つの物語は、どちらかと言うと、薄幸の有村架純扮する『瑠璃』と目黒蓮扮する哲彦の許されざる恋の顛末にウエイトを置いて語られていきます。このリーインカーネーションの最後のキーを握るのは、小山内家の瑠璃の高校時代の親友であり、今は幼い一人娘を持つ緑阪ゆい(伊藤紗莉)の存在であるとだけ伝えておきます。
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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