2009年に、革新的な3D映像技術による、超幻想的な世界をスクリーンに描写した『アバター』の続編です。前作では、神秘的な森の世界をスクリーン上に現出させた、ジェームズ・キャメロン監督が今作では壮大な水の世界に挑戦しています。
地球から遠く離れた神秘な星パンドラ。元海兵隊員のジェイク(サム・ワーシントン)はパンドラの一員となり、愛するパンドラ先住民のネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と結ばれた。それから10年、4人の子どもたちと平和な生活を送る日々を過ごしていた。しかし、この平和な生活も再び地球人がパンドラに襲撃してきたことで激変していく。破壊された神聖な森から追われたジェイクと家族たちは、【森の住人】にとって未知なる【海の住人】のもとに身を寄せることになる。だが!【森の住人】である一家にとって【海の住人】の生活様式は全く異なり、屈辱に耐える毎日がつづく。それでも精神が柔軟な子どもたちは、しだいに海の生活様式を会得していき、海の子どもたちの仲間として認められていく。なかでもヤンチャでジェイクやネイティリを困らせていた次男は、【海の住人】にとって神聖なる巨大魚を手名付け信頼されていく。ようやく海の世界にも慣れてきた頃、執拗にジェイクを狙う一団が、その美しい海辺の楽園に侵略してきた・・・。
3時間を超える長尺の映画なので、それだけで尻込みする方もいると思うのですが、これはお勧めしたい作品となっています!!『アバター』の科学的知識にこだわる前作と違って、今回は全編娯楽味たっぷりの内容となっているので、3時間はアッという間に過ぎるのです。特に推奨したいのは、前半の終わりごろからはじまる【海の住人】との目くるめくような生活のドラマティックな内容なのです。神秘的な海の素晴らしい描写と相俟って、様々な巨大魚類の形態や想像力の豊かさに心がウキウキしながら見ていくうちに、クライマックスのはげしい戦いになだれ込むという展開に固唾を飲む!という、娯楽作品の典型的な作りの醍醐味を味わう内容となっていたのです。ジェームズ・キャメロン監督の映画作りの巧みさに拍手を送ります。
ぼくのチケット代は、2500円出してもいい作品でした。
星印は、4ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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