OBS大分放送
衛藤賢史のシネマ教室

仕掛人・藤枝梅安

記事 >  OBSラジオ > 情熱ライブ!Voice > 衛藤賢史のシネマ教室 > 仕掛人・藤枝梅安

   2023/02/07

これまで緒形拳や渡辺謙などが演じてきた『仕掛人・梅安』を、新たに豊川悦司が演じるリニューアル作品です。

表の顔は腕のいい鍼医者で貧乏な人からは金をとらない藤枝梅安(豊川悦司)は、裏では金で殺しの仕事を請け合う凄腕の<仕掛人>だ。闇の世界に生きる梅安が唯一心を許す友人は、同じ仕掛人の彦次郎(片岡愛之助)のみ。今回の梅安の殺しの標的は、料理屋『万七』の後妻・おみの(天海祐希)。絶世の美女だが、『万七』の前妻を殺して女将となり、いかがわしい商いをしていると噂の女性である。探りを入れる目的で『万七』に出入りする内、梅安は女中・おもん(菅野美穂)と愛し合う仲になる。二人の仲を知り梅安に挨拶する、女将・おみのの顔を見た瞬間、思わず息をのむ梅安!その顔は、梅安自身の暗い過去の身の上を思い出させるものだったのだ・・・。悶々として依頼された仕事を実行しようとする梅安と、彦次郎の仕事が交錯しながら、闇の世界での仕掛人の壮絶な殺しの仕事がはじまるのだが・・・。

原作の長身痩躰な藤枝梅安のイメージに近い、豊川悦司の演技は男の色気を漂わせてよく似合っていた。また江戸の町の遠景などの描写にCGを効果的に使用したスタイリッシュな映像美などの工夫は認めるが、錯綜させすぎるサービス過剰な内容構成によって、肝心の中心の『万七』における筋立てが、あまり感情移入できない内容となったのは残念であった。

ぼくのチケット代は、2000円出してもいい作品でした。

星印は、3ッさしあげます。

5点満点中3点 2000円

©2024  Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.