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大名倒産

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   2023/06/27

衛藤賢史のシネマ教室

『武士の家計簿』『超高速参勤交代』etc、武士の苦しい生活をコミカルに描いていくニュー時代劇と言っていいジャンルで、浅田次郎の同名小説を、前田哲監督が映画化した作品です。

江戸時代末期、越後・丹生藩の庶子に生まれた小四郎(神木隆之介)は、自分の身分を知らないままに養父の鮭役人の間垣作兵衛(小日向文世)と生母・なつ(宮崎あおい)と貧しい中を楽しく暮らしていた。ある日突然、小四郎は丹生藩のお世継ぎに命じられる。庶民同様の小役人の息子から、三万石の丹生藩の殿様に変身した小四郎は茫然自失状態。実は丹生藩は25万両(今の100億円)の借金を持つ、にっちもさっちもいかない超不良債権を抱えた藩だったのだ!!実父の殿様・一孤斎(佐藤浩市)の目論見は、庶子の小四郎に【大名倒産】させて、その責任を全部小四郎におっかぶせて【切腹】させようと企んでいたのだ。小四郎に残された道は、25万両【100億円】全額返済か【切腹】のみ!小四郎は、幼なじみの利発で度胸のいいさよ(杉咲花)や、小四郎の兄でうつけ者だが特殊な才能のある進次郎(松山ケンイチ)や、三男で病弱だが聡明な喜三郎(桜田通)、小四郎を見守る家臣・平八郎(浅野忠信)らとタッグを組んで、大名にあるまじきとんでもない節約プロジェクトをはじめる。小四郎の丹生藩を守りたい必死の気持ちが、藩の若者たちに伝わり続々と支持者が増えていき、節約プロジェクトと藩を食い物にする悪徳商人(キムラ緑子)や黒幕の存在が明らかになるなか、幕府の老中に【大名倒産】という前代未聞の出来事を疑われ、小四郎は大ピンチ!果たして小四郎は借金を全額返済し、自らの命と藩を救うことができるのか・・・。

【大名倒産】という奇天烈な内容を描いていくこの作品は、登場人物のそれぞれのキャラクター設定が粗いので、繰り出すギャグが笑うに笑えないのだ。奇天烈な内容をまじめに演ずることによって、より面白いストーリーになるのは『超高速参勤交代』などでは証明しているのに、奇天烈な内容に奇天烈な演技やギャグでは、作品が荒唐無稽な域を超えて、見る人をシラケさせるのを理解していないのだろうか?喜劇映画を作るむつかしさを感じる作品となっていたのです!

ぼくのチケット代は、1800円出してもいい作品でした。

星印は、2ッさしあげます。

5点満点中2点 1800円

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