鳥山明が『ドラゴンボール DRAGONBALL』の連載を終了した2000年に、すべて鳥山一人で描き上げた唯一の漫画を、横嶋俊久監督がアニメ化した作品です。
魔物も人間も、水不足に苦しんでいるカラカラに乾いている砂漠の世界・サンドランド。サンドランドの人間界の保安官を務める初老の元・軍人のラオは、サンドランドに住むすべての生き物に【水】を与えるために、砂漠のどこかにあるという<幻の泉>を探す旅をする決心をする。そのためには、人間たちの仇敵であると言われる魔物界最強の悪魔の協力が必要となると考えたラオは、悪魔大王の許可を受け悪魔の王子・ベルゼブブと手を組み、目付け役のシーフとの3名で<幻の泉>を探す旅に出発する。やんちゃ坊主でワルぶりを示すベルゼブブ王子だが、心根はやさしい子供であり超人的な能力を生かして、ラオの良き相棒として旅をするうちに、サンドランドの【水】が枯れた原因は人間の独裁者によって、【水】の供給を独占しているということが分かってきた。【水】の独占を図ったゼウ大将軍は、実はラオの仇敵だった。ラオの元・軍人のサバイバル能力とベルゼブブ王子とシーフの悪魔の力を結集して、ゼウ大将軍との戦いがはじまる・・・。
鳥山ワールドの色彩感覚が、映画館の大画面いっぱいに広がりながら、いつの間にか敵をも味方にしていく『ドラゴンボール』のテイストを織り交ぜながら展開していくこの作品は、鳥山ファンにとって拍手喝采の内容となっているのです。世界に誇る、日本のアニメーション映画の実力を遺憾なく発揮させる、作品の一角を占める作品となっていたのです。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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