2016年に日本テレビ系で人気をとった連続ドラマを映画化した作品です。テレビ同様、水田伸生が監督して、宮藤官九郎が脚本を担当しています。
<野心がない><競争意識がない><協調性がない>と言われる、【ゆとり世代】の坂間正和(岡田将生)山路一豊(松坂桃李)道上まりぶ(柳楽優弥)の三人組は、時が過ぎて30代半ばになっても【ゆとり世代】の精神を濃厚に残して暮らしていた。愛する妻(安藤サクラ)との夫婦仲にも隙間風が吹き、家業の醸造業も左前になってものほほんと暮らす正和。いまだ女性経験ゼロの小学校教諭・一豊は、教え子たちからなめられながら気にせず楽しく暮らしている。中国の事業に失敗して帰国したフリーターのまりぶはケロっとして、正和の醸造会社にバイトする生活をしながら、正和の家族のドタバタする生活を撮影して中国へユーチューブを配信している。日本の<ゆとりの時代>が過ぎて世知辛い世界で暮らす正和は、家業の立て直しを図るため慣れない営業を外国人相手に必死で頑張る。一豊は、グローバル化した学校で外国の児童を受け入れ四苦八苦しながら学校へのクレームに対応していく。働き方改革、テレワーク、多様性、グローバル化などの新しい時代の波が押し寄せる中、<ゆとり>のない日々を懸命に生きる三人組。そんな中、正和に不倫騒動が起こるが・・・。
ナンセンスに徹する内容に、いま日本が抱える問題をチクリチクリと風刺していくこの作品を、岡田将生・松坂桃李・柳楽優弥が素っ頓狂なキャラクターを楽しそうに演じている。だが、テレビドラマを見てない観客にこの作品の笑いのツボがよく分からないのが欠点ともなっていたのだ。
ぼくのチケット代は、2000円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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