NHKテレビドラマの『あきない正傳 金と銀』で主人公の幸を演じた小芝風花が、老舗旅館の若女将で前代未聞の町おこしプロジェクトを計画していくコメディです。
樋口由香(小芝風花)は、石川県の加賀温泉にある老舗旅館『ひぐち』の一人娘。幼いころに見たタップダンスに魅了され、東京に出てタップダンサーになったが夢破れ、実家に戻り名女将と謳われる母(檀れい)の下で若女将になるべく修業する羽目になる。明るく陽気な由香だけど、何をやっても中途半端な性格で母から叱られてばかり。そんな中、加賀温泉で『女将ゼミナール』と称して、全国から旅館の女将さんを志す若い女性を女将修業させる企画がはじまる。母からゼミナールに参加させられた由香は、母を尊敬する明子(佐藤藍子)という女将から徹底的にしごかれる。ゼミナールに参加した元キャバクラ嬢・麻衣(中村静香)、外国人で日本の伝統文化を愛するカトリーヌ(八木アリサ)、幼馴染の親友で女将を継いだ美希(奈月セナ)などと、女将修業に励むも由香は飽きてくる。ある日、腹立ちまぎれに仲間たちの前でタップダンスを踊る。それを見た市役所職員で同級生・康平(青木瞭)と天才観光プランナー・花澤(森崎ウィン)は<これだ!>と、由香を中心に『女将ゼミナール』の仲間たちとタップダンサーを結成し、加賀温泉PRのためのタップダンサーチーム『レディ加賀』イベントを開催するアイデアを企画する。しかし、由香以外メンバーはタップも踏めないど素人ばかりの集団なのでなかなか上手くいかない。開催期限が刻一刻と迫るなか、このど素人集団の『レディ加賀』のタップダンスは果たして成功できるのか・・・。
加賀温泉の旅館の女将たちによって結成された、実在するプロモーションチーム【レディ・カガ】からインスパイアされたこの作品は、奇しくも能登半島地震の応援歌となる映画となっているのです。予定調和どおりに進行する作品ですが、小芝風花や若手の女優たちの和装姿で踊るタップダンスが愉しいコメディとなっているのです。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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