<第1回anan猫マンガ大賞>を受賞したウオズミアコの同名コミックを実写映画化した、ほっこりと胸が温まる作品です。
熊本に住む【猫大好き】の、書店につとめる40代の灯(安達祐実)、精神科の医師30代の鹿乃子(倉科カナ)、アパレルショップ店員20代の仁(渡邊圭祐)の3人は、熊本大地震をきっかけに出会い、おたがいが【猫大好き】であることを知り、意気投合する。家族でも恋人でもなく年齢も職業も境遇もそれぞれ異なるが、愛猫ミカヅキを囲んで独身同士で仲良く共同生活を送る仲になる。料理が上手な灯の数々の品に、鹿乃子も仁ももう夢中に舌鼓みを打ちながら出された料理を食べ、和気あいあいと話す共同生活を楽しむ。猫好きが収まらない3人は、捨て猫を保護する施設で2匹の仔猫を飼うことになる。じつは仁が見つけたこの施設で働く、無愛想で人嫌いのつぐみ(石川瑠華)に、仁は惹かれていたのだ。いつも一緒に食卓を囲み、時には悩みながらも優しく寄り添ってきた3人の生活に微妙な変化が訪れる。灯がつとめる書店で、灯の大好きな小説家・網田すみ江(小林聡美)の新作サイン会で同行した、編集者・長浜一生(山中崇)と話が合い、仕事一途で妻と娘と別れた長浜は趣味が一致する灯に魅かれ愛を告白したのだ。そして、鹿乃子と仁も、すみ江やつぐみとの新たな交流を通して自分自身を見つめ直していく時期を迎えていく。灯の考えた決断とは・・・。
熊本を愛する人たちで作られたこの作品は、「人間が寄り添う意味とは?」を、【猫】を通して問いかける、やさしく奏でる物語となっているのです。土手から川の水面にゆっくり流れる薫風のように、見る人たちをほっこりした気分にさせる作品となっているのです。
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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