1977年の【アポロ11号】の月面着陸はフェイクだった?という“ウワサ”から生まれた奇想天外な作品です。
宿敵ソビエトに遅れを取ったアメリカが、人類初の月面着陸を成功させる【アポロ計画】を始めてから8年。失敗続きのNASAに対してアメリカ国民の関心は薄れつつあった。ニクソン大統領の側近・モー(ウッディ・ハレルソン)は、この莫大な国家予算を投じながら、悲惨な状況を打開するべく、NASAに怪しげなPRマーケティングのケリー(スカーレット・ヨハンソン)を雇用契約させる。契約した品物が売れるなら手段を選ばないケリーは、やり手の助手とNYからフロリダにあるNASAに乗り込む。アポロ計画を全世界にアピールするためなら、手段を選ばないケリーは、月面着陸に携わるスタッフにそっくりの役者たちをメディアに登場させる。<本物の職員はしゃべるのが下手>TVで高感度を上げるイメージ作戦や、宇宙飛行士と有名会社をタイアップさせPRさせる手段で、アメリカ国民の認知度を上げていく。そんな強引な手段に、月面着陸に命を懸けるNASAの発射責任者・コール(チャニング・テイタム)は、反発する。月面着陸の計画がケリーのPRで人気が沸騰し、進むうち、月面着陸の失敗を恐れるモーは、NASAに無断でケリーに『月面着陸のフェイク映像を撮影する』という前代未聞な極秘ミッションを命令する。ケリーの過去の汚点を知るモーに逆らうすべのないケリーは、NASAの内部で【フェイクの月面着陸】を撮影する。愛し合いながら、月面着陸に命を懸けるコールと、フェイクが信条のケリー。ついに【アポロ11号】は、発射の時を迎え、月面着陸のカウントダウンが始まった。世界中が見守るテレビ中継が目撃したのは【リアル】か【フェイク】か?・・・。
巷間の“ウワサ”されたアポロ11号の月面着陸の裏でヒソヒソ話されていた、偽の月面着陸を逆手に取るこのコメディ作品は、見る観客を最後の最後まで楽しませる内容になっているのです。豪華なセットと特殊撮影を駆使しながら、人間の愚かさ真摯な生き方を描いていくコメディ作品でした。ひさしぶりにハリウッドのコメディ映画の底力を感じる作品となっているのです!!
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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