1997年、『踊る大捜査線』がTVドラマで放送開始され映画版も大ヒットしたシリーズ【主演=織田裕二(青島)/深津絵里】でキャリアの警察官・室井慎次がこころざし半ばで早期退職し、故郷の秋田県で暮らしているという設定の作品です。
27年前に、湾岸署の熱血漢の刑事・青島と交わした約束を果たせなかったキャリアの室井慎次(柳葉敏郎)は、早期退職し故郷の秋田へ帰り<事件の被害者家族・加害者家族を支援したい>との思いから、母親を殺された高校2年のタカ(齋藤潤)と、父が事件で服役中の不登校の小学4年のリク(前山くうが・こうが)の里親となり、野良犬の秋田犬シンペイと穏やかに暮らしていた。そんなヨソから来て訳アリの子供や犬と暮らす室井慎次に疑いの目を持つ村人たち。無口な室井慎次は自分が元キャリアの警察官であることを話さない。そんなある日、室井慎次の前に謎の少女が現れる。少女の来訪とともに他殺と思われる死体が家の近所に埋められ、室井慎次はその第一発見者となってしまう。その少女・日向杏(福本莉子)は、かつて湾岸署が逮捕した猟奇殺人犯の日向真奈美(小泉今日子)の娘だったのだ。埋められた死体はレインボーブリッジで暴れた仲間が新たに犯行する特殊詐欺の一員だったのだ。謎めいた杏の行動を知りながら杏を家に住ませる室井慎次。警視庁も加わった大規模な捜査で、元のライバルであるキャリアの新城賢太郎(筧利夫)が秋田県警・本部長として室井慎次にひそかに会いに来るが・・・。
タカやリク、シンペイを守りながら頑張る室井慎次に次々と試練が訪れる出来事を一部として、『室井慎次・生き続ける者』へと続く二部構成の作品となっているのだ。そのため、一部の『室井慎次・敗れざる者』のこの作品は、謎をちりばめながら<事件の被害者家族・加害者家族>を守る室井慎次の疑似家族の生活を丁寧に描いていく。隔靴掻痒の感があるものの、室井慎次の疑似家族の生活を丁寧に描いていく内容は悪くないのだ!!
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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