記事 > OBSラジオ > 情熱ライブ!Voice > 衛藤賢史のシネマ教室 > スマホを落としただけなのに 最終章 ファイナルハッキングゲーム
2024/11/05
『スマホを落としただけなのに』シリーズ3部作の最終章の作品です。今回はスケールアップした、日本と韓国を舞台にスマホを持つすべての男女をターゲットにしたハッキング事件の行方を描いていきます。
長い黒髪の女性ばかり狙う連続殺人事件の犯人で、人の心を自在に操る天才的ブラックハッカー・浦野善治(成田凌)は、浦野と同じように家庭内暴力を受けた刑事の加賀谷学(千葉雄大)によって逮捕されたものの、刑務所内からサイバー攻撃を企て、警察内の混乱に乗じて姿を消した。その浦野が韓国のソウルに飄然と姿を現す。韓国のテロリストから依頼された仕事を請け負うためだった。テロリストのボスから命令され浦野を監視するエージェント・スミン(クォン・ウンビ)は、日本語も話せる浦野が好む黒髪の美しい女性だった。テロリストのボスは長い黒髪の麻美に執着している浦野の好みを知っていたのだ。浦野が危険な兆候を示した場合、スミンは浦野を即座に殺す役目を命令されていた。だがある日、スミンは浦野の身体に児童虐待の痕跡を見つけ、浦野にシンパシーを覚える。スミンは保護施設で育てられた、児童虐待の被害者だったのだ。監視しながら浦野に淡い慕情を覚えるスミン。その間にもテロリストの計画は着々と進み、韓国と日本の首脳の会談が始まる日に、突如として大規模なドローンを使うサイバーテロ攻撃が仕掛けられた。発信元は韓国のソウルで、浦野の動向を詳細に調べていた加賀谷は、こんな緻密なサイバーテロをスマホを日本で持つ内部の者に仕掛けられるのは、韓国に渡った浦野の犯行と断定するが・・・。
ピカレスクな内容で進む3部作の『スマホを落としただけなのに』の最終章。スミンと浦野の淡い慕情の交流を縦糸にして描きながら、韓国と日本の首脳会談を邪魔するサイバーテロの事件を横糸にしてスケールアップしたこの作品は、最後に全ての謎の絡みを解決させていく内容となっているのです。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
©2024 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.