ハリウッドのローマ史劇の中でレジェンドとして評価される、ラッセル・クロウ主演の『グラディエーター』の後日譚です。
狂的な双子のローマ皇帝・ゲタとカラカラが支配する時代、ローマ帝国軍将軍アカシウス(ペドロ・パスカル)の侵攻により、愛する妻を殺されたルシアス(ポール・メスカル)。類い稀な戦士であるルシアスは、亡きマキシマス(ラッセル・クロウ)の息子であった。奴隷として売りに出されたルシアスは、その勇猛さから富裕な奴隷商人・マクリヌス(デンゼル・ワシントン)に買われローマに連れて行かれ、剣闘士【グラディエーター】として訓練される。力のみが物を言う剣闘士として頭角を現したルシアスは、コロセウムの戦いを勝ち抜きローマの住人の人気となる。妻を殺めたアカシウスへの復讐を誓うルシアスだが、アカシウスの妻(コニー・ニールセン)が自分の母であることを知らなかったのだ。実は狂的な双子の皇帝を打倒して、良きローマにしようと画策するアカシウスだったがマクリヌスの策謀により、ルシアスはコロセウムでアカシウスと闘いをすることになる。激しい死闘の末、ルシアスに分かった事とは・・・。
古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込まれ、剣闘士【グラディエーター】として苛烈な闘いに身を投じるルシアスの姿を描く、スペクタクル・アクションのこの作品を、リドリー・スコット監督は二代に渡る親子の剣闘士【グラディエーター】の宿命として描いていく。『グラディエーター』(2000)での、故郷に広がる黄金色の小麦畑で息子の背丈ほどに伸びた穂先を、マキシマスが慈しむようになぞるシーンに涙した抒情的な思い出に浸る前作と比べて、この後日譚の作品は抒情的なシーンを省いた少し荒っぽい内容となっているのです。コロセウムでの怪奇な獣たちとの死闘や、狂皇帝の残虐なシーンに力点を置いて描くこの作品は、それはそれで見応えのある内容となっているのです。
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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