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   2024/12/03

衛藤賢史のシネマ教室

染井為人の同名小説を、藤井道人監督が映画化したサスペンスドラマです。

一家皆殺しの残忍な殺人事件の現場で、呆然と立ち尽くす血濡れた鎌を持つ鏑木慶一(横浜流星)が逮捕され、18歳の未成年ながら死刑判決を受け脱走する事件が起こる。警視庁捜査一課の刑事・又貫(山田孝之)は、警察の威信をかけ鏑木の跡を追う。日本各地に網の目を張り巡らせ鏑木を追う又貫ら捜査陣の目をくぐり、逃走し続ける鏑木。わずかな手がかりを求め鏑木を追う又貫。姿や顔を変えながら間一髪の逃走を繰り返す鏑木が命を懸け逃亡し続ける“真の目的”が徐々に又貫にもあらわになる。大阪で出会う孤児院出の和也(森本慎太郎)へのやさしい眼差し。東京で痴漢冤罪で悩む弁護士の父を支える沙耶香(吉岡里帆)への感情移入。長野の老人ホームに勤める舞(山田安奈)を利用しようとする態度。それらすべてが鏑木の想いと結びつくのだった。又貫が鏑木を追い詰めた頃、鏑木の事件を模したと思われる一家皆殺しの事件が起こる。そして又貫が取った態度とは・・・。

和也→沙耶香→舞との出会いのエピソードを劇中に散りばめ進むこの作品は、かなりのツッコミ所の多い内容となっている。ただ走ってやみくもに逃げるだけ(日本の警察だったらすぐ捕まるぜ!)の鏑木の逃走シーンに代表されるように、見る観客にハラハラとさせるエンターテイナーな緻密な描写が少し雑な演出として全編に渡って見えるのだ。冤罪の恐怖を表現する厚みのある社会派劇として少し物足りない作品でした。

ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。

星印は、3ッさしあげます。

5点満点中3点 2100円

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