選挙で選ばれた『ローマ教皇』は、終身の身分(辞任あり)となるが、亡くなると新しい【教皇】を選ぶ【コンクラーベ】が実施される。この作品は、【教皇選挙】のベールに包まれた舞台裏を題材にした、ミステリー仕立てなドラマとして描いていくのです。
世界で14億人以上の信徒の頂点に立つ、ローマ教皇が亡くなった。イギリス人で教皇に次ぐ身分の、筆頭枢機卿のローレンス(レイフ・ファインズ)は次期教皇を決める【教皇選挙】を取り仕切る責務を負う。彼も候補の一人であったが教皇になる気が無く、選挙の後でバチカンから去る事を決めている。世界中から100人以上の豪華な紅の衣服を着る、人種を超える候補者の枢機卿が参集し、システィーナ礼拝堂の閉ざされた扉の奥で、極秘の投票がスタートする。彼らは、シスターのアグネス(イザベラ・ロッセリーニ)が差配する聖マルコの宿泊施設で厳重に監視されている。シスター“女性”は候補者の資格のない身分であったが、バチカン内部の事情に通じていた。投票前日、未知の枢機卿が現れる!アフガニスタンの教区のメキシコ人のベニテス(カルロス・ディエス)は亡くなった教皇から密かに枢機卿に任命されていたのだ。シスター・アグネスはその裏事情を知っていた。下馬評の有力候補は、リベラル派のベリーニ(スタンリー・トゥッチ)、伝統主義者のトランブレ(ジョン・リスゴー)に加えて、ナイジェリア教区の黒人であるアデイエミも黒人初めての教皇に意欲を見せている。3週間の準備期間を経て、教皇選挙の票は割れ続け、バチカンの煙突から流れる煙の色は黒いままであった。票が割れる中、水面下で様々な駆け引きや、スキャンダルがローレンスの耳に入る。ローレンスの票もかなり入り困惑しながら、ローレンスは公平に責務を果たそうと厳格に責務を果たしていくが・・・。
筆頭枢機卿のローレンスの目を通して描いていくこの作品は、教皇選挙をめぐる聖職者の権力を巡る人間の“悲しい業”を差別や主義を通して、最後の驚きのどんでん返しを見ていくのです。
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、4ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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