【命の終わり】を人間に告げる【鳥】と、告げられた母娘が、対峙する様子を描いていく奇想天外なドラマです。
病に侵され余命わずかな15歳の少女・チューズデー(ローラ・ペティクルー)。母・ゾラ(ジュリア・ルイス=ドレイファス)は、愛するチューズデーのために苦しい生活の中で、寝たきりの娘を介護士に世話をしてもらっている。そんなチューズデーの前に、喋って歌う変幻自在で不思議な一羽の鳥が舞い降りる。【デス】を名乗るこの鳥は、人間の【命の終わり】を告げる使命を担う、悲しい役目を持っていたのだ。焦るチューズデーは、外出中のゾラが帰って来るまで、自分の【命】を持たせようと必死に【デス】に明るく話しかけ、【命】の引き伸ばしに成功した。やがて帰ってきたゾラは、【デス】の役目を知ると、愛するチューズデーの命を救うため考えられない暴挙に出る。母と娘の愛情に心を打たれた【デス】は、掟破りをしてチューズデーの【命】を少しだけ永らえようと努めるのだが・・・。
ダイナ・O・プスィッチ監督のこの作品は、命を持つすべての生物にある【死】という無常な【別れ】の姿を、別れがたい薄命の少女と母との愛情表現と、【デス】と言う終わりを告げる奇妙な【鳥】との不思議な友情と悲しいユーモアで描いていくのです。【デス】という大きなオウムのような愛嬌のある【鳥】と、若くして死にゆく運命を持つ薄命の少女・チューズデーの不思議な友情に胸を打たれながら、母の持つ愛情が心に響く余韻を残す作品となっているのです!!
ぼくのチケット代は、2300円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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