お笑い芸人・松原タニシが自分の体験したノンフィクション『事故物件怪談 恐い間取り』シリーズ第2弾を、『リング』の中田秀夫監督が映画化した作品です。
福岡の鉄鋼会社に勤めていた、まじめでやさしい性格の青年の桑田ヤヒロ(渡辺翔太)は、タレントを夢見て社長(滝藤賢一)の紹介する、東京の芸能会社社長・藤吉清(吉田鋼太郎)の下で【事故物件住み込みタレント】として活動することになる。最初に出演したエキストラ役で、夏の砂浜で水着を着て同じエキストラのペアの春原花鈴(畑芽育)と歩くだけの役で、ヤヒロは花鈴の清楚な姿に淡い慕情を抱き、芸能界の先輩の花鈴に助言されながらつき合う仲になった。芸能会社の社長が取ってきた仕事の内容は、いわくつきの部屋に住み込み生活しながら、恐怖の体験をする仕事だった。【必ず取り憑かれる部屋】【いわくつきの古い旅館】や【降霊するシェアハウス】などの『事故物件』を転々として、それぞれの物件に隠された謎に迫っていくヤヒロだったが、やさしい性格でそれ故に霊に好かれ誰よりも取り憑かれる体質のヤヒロに、怪奇現象が次々降りかかる。そして、愛する花鈴の身にも怪奇現象が発生する。花鈴を助けようと必死でその現象を探っているヤヒロは、衝撃の事実を突き止めるが、その事実とは・・・。
『リング』で世界中に日本の恐怖映画を広めた中田秀夫監督の『事故物件』シリーズは、若い観客層に圧倒的支持を集めた作品だが、『リング』のように恨みを飲んで死んだサダコのような、見る人の心を凍らせる精神的ホラー映画としてではなく、映像描写やおどろおどろしい音楽で見る人を恐怖に襲わせる作品となっているのだ。夏の納涼祭としての若者向きのホラー映画として、軽いノリな気持ちで見る人を楽しませる傾向になっている作品でした。
ぼくのチケット代は、1900円出してもいい作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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