新解釈シリーズ『新解釈・三国志』に続く、第二弾として、今回は福田雄一監督が日本に舞台を移して、混沌とした幕末の幕末の志士のハチャメチャな活躍をドタバタ喜劇として描いていきます。
1800年中期、260年続いた江戸時代はペリー来航で終わりを迎えようとしていた。仲の悪い薩摩藩と長州藩の間を仲介しようとして乗り出した、土佐藩から出てきた坂本龍馬(ムロツヨシ)だった。<まあまあ>の言葉で、薩摩藩の西郷隆盛(佐藤二朗)と長州藩の桂小五郎(山田孝之)をなだめるのんきな龍馬に呆れながら薩長同盟をする。運命の出会いで幕府の偉い位の勝海舟(渡部篤郎)の敵を海舟の用心棒にして、風雲漂う京都の町を変なカフェを食べ歩く龍馬の節操の無さ。新選組の土方歳三(松山ケンイチ)たちとカフェで出会っても<まあまあ>ですませる龍馬。<まあまあ>の坂本龍馬を中心にして、幕末期の日本が不思議なことに動いていく。西郷隆盛はそんな龍馬を好きになり、龍馬の妻・おりょう(広瀬アリス)をともに薩摩に連れていき新婚旅行をさせ一緒についていき、おりょうから怒られる隆盛の情けない顔。誰もが呆れながら、いつの間にか歴史が動く幕末動乱期を<まあまあ>で動かす無手勝流の龍馬は、【船中八策】を考え明治の世を開いていく。つまり誰もが龍馬の<まあまあ>にだまされ、260年続いた江戸幕府を倒し明治時代を産んだのだと、新解釈をする歴史学者(市村正親)はのたまうのだ!!
主演のムロツヨシがツッコミ役で、佐藤二朗がボケ役を演じるこの作品は、登場人物のキャラクター全員が、俳優たちの年忘れの忘年会を楽しむようにオーバーに演じているのだ。その楽しそうに演じる役柄を、楽しく見るか、呆れて見るかで、評価の分かれる作品となっているのです。ナンセンスもここまでのハチャメチャになると、もう笑うしかない内容でした。今年起きたいろいろな出来事を、忘れて笑って過ごせる作品となっているのです!!
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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