1970年代、日本で初めてパンクロックを生み出した『東京ロッカーズ』の姿を、彼らのカメラマン・兼マネージャーの目を通して描く作品です。
1978年、田舎の地元のラジオで耳にした【セックス・ピストルズ】の音楽に感動し上京したカメラマンのユーイチ(峯田和伸)は、小さなロックミニコミ誌『ロッキンドール』を主催する女性(吉岡里帆)に紹介されライブハウスを訪れる。そこは『音楽』も『バンド』も『観客』も自由に好きな音楽を楽しむ、生のエネルギーにあふれた場所で、ボーカルのモモ(若葉竜也)が率いるバンド『TOKAGE』のライブに、衝撃を受けたユーイチは夢中でシャッターを押す。正式にカメラマンとして撮影を依頼されたユーイチは、彼らとマネージャーとして行動を共にする。束縛されることを嫌うモモは、メジャーになることを嫌う青年だった。誰もが自由を共にするメンバーばかりの音楽仲間を求めて、ライブを開催し観客とともに楽しむライブ舞台は、メジャーになると出来ないと悩むモモ。その気持ちを分かり合えるユーイチを信頼するモモ。西洋のパンクロックではなく、東京から発信する日本オリジナルなパンクロックを求めて大学内のステージを楽しむ。やがて彼らの音楽は、若者たちを熱狂させ、そのムーブメントは【東京ロッカーズ】と呼ばれ日本のロックを塗り替えることになる。それに目をつけ売り出そうとするメジャー音楽界の圧力に、悩むモモの気持ちが壊れていく・・・。
同世代に生きてきた田口トモロヲ監督が撮り、宮藤官九郎が脚本を書くこの作品は、1970年代の若者たちの生態を郷愁を込めて生き生きと作り出していく。日本オリジナルのパンクロックの世界が、現代の音楽界に継続しつつ普遍的な世界にした、創世記の革命的なアマチュア世界の躍動する姿を鮮やかに描き出していたのだ。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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