『海街ダイアリー』で是枝監督と組んだ綾瀬はるかが主演する、同じ鎌倉を舞台にしたオリジナルの作品です。
舞台は、現代よりも少し先の未来。
鎌倉で建築家を営む甲本音々<おとね>(綾瀬はるか)と、その夫で工務店の2代目・社長を務める健介(大吾)は、2年前に亡くした息子・翔<かける>の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。翔亡き後、家庭の時間は止まったまま、音々は近代的な家の設計に励み、健介は力仕事を主とした大工仕事に精を出していたのだ。ヒューマノイドが到着した日、亡き翔と同じ笑顔と声をした彼を、音々が喜びいっぱいで迎え入れる一方で、健介は戸惑いを隠しきれずに硬い表情を浮かべる。翔の亡き後、時間の止まったままの家族の時間は、ヒューマノイドの息子・翔のせいで少しずつ動き出すが、疎遠になったままの音々の母(余貴美子)や妹(清野菜名)の来訪で、甲本夫婦が息子の死に対して、それぞれ抱えていた想いがあらわになっていく。そんな中、ヒューマノイドの翔は、独自にヒューマノイドの仲間たちとつながりを持ち始めるが・・・。
近未来の、ヒューマノイドと人間の暮らしを描くこの作品は、リアルな人間の家族を描いてきた是枝監督のSF作品なのです。知性を学習データで内包するヒューマノイドの、学習が人間を超える知性を獲得する過程を描きながら、人間とのつき合いから生じるヒューマノイドの知性の進化を描いていくのです。【家族】とは何か?を問いかける作品を作り続ける是枝監督の、未来を展望させる思いの作品となっているのです。タイトルの『箱の中の羊』は、サン=テグジュペリの【星の王子さま】の一節に由来するらしいのですが、ぼくは内容にある是枝監督のテーマを、浅学のせいでつかみ損ねていたらしく、正直に言えば退屈してしまったのです。
ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。
星印は、3ッ差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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