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箱の中の羊

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   2026/06/02

衛藤賢史のシネマ教室

『海街ダイアリー』で是枝監督と組んだ綾瀬はるかが主演する、同じ鎌倉を舞台にしたオリジナルの作品です。

舞台は、現代よりも少し先の未来。

鎌倉で建築家を営む甲本音々<おとね>(綾瀬はるか)と、その夫で工務店の2代目・社長を務める健介(大吾)は、2年前に亡くした息子・翔<かける>の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。翔亡き後、家庭の時間は止まったまま、音々は近代的な家の設計に励み、健介は力仕事を主とした大工仕事に精を出していたのだ。ヒューマノイドが到着した日、亡き翔と同じ笑顔と声をした彼を、音々が喜びいっぱいで迎え入れる一方で、健介は戸惑いを隠しきれずに硬い表情を浮かべる。翔の亡き後、時間の止まったままの家族の時間は、ヒューマノイドの息子・翔のせいで少しずつ動き出すが、疎遠になったままの音々の母(余貴美子)や妹(清野菜名)の来訪で、甲本夫婦が息子の死に対して、それぞれ抱えていた想いがあらわになっていく。そんな中、ヒューマノイドの翔は、独自にヒューマノイドの仲間たちとつながりを持ち始めるが・・・。

近未来の、ヒューマノイドと人間の暮らしを描くこの作品は、リアルな人間の家族を描いてきた是枝監督のSF作品なのです。知性を学習データで内包するヒューマノイドの、学習が人間を超える知性を獲得する過程を描きながら、人間とのつき合いから生じるヒューマノイドの知性の進化を描いていくのです。【家族】とは何か?を問いかける作品を作り続ける是枝監督の、未来を展望させる思いの作品となっているのです。タイトルの『箱の中の羊』は、サン=テグジュペリの【星の王子さま】の一節に由来するらしいのですが、ぼくは内容にある是枝監督のテーマを、浅学のせいでつかみ損ねていたらしく、正直に言えば退屈してしまったのです。

ぼくのチケット代は、2200円出してもいい作品でした。

星印は、3ッ差し上げます。

5点満点中3点 2200円

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