メディアの大フィーバーによる後押しの力もあって、順調な興行成績での滑り出しとなった「スター・ウォーズ」は、久しぶりの正月作品らしい派手なオーラを漂わせる大作となり、大都市を中心に老若男女の観客を万遍なく集めているのはうれしい!
1980年代にエピソード5・6・7から出発し、1990年末~2005年にかけてエピソード1・2・3と逆戻りし、この作品がエピソード8となるので流れが少しゴチャゴチャになって頭の中の整理が必要となりそうな内容だが、要は銀河系の国家が分裂し、正義のジェダイ騎士団(レイア姫/ルーク・スカイウォーカー、ハン・ソロetc.)と悪の帝国(ダース・ベイダーetc.)との戦いだと単純化して見ると初めての方もわかりやすいと思うし、そうするとこのドラマの芯となる、宇宙空間上の様々な宇宙船の戦いなどの、より進化した特殊撮影や特殊メイクの凄さを存分に楽しむことができるのではないか。
そして今回のドラマの中心は、悪の帝国軍と正義のレイア姫軍が、ダース・ベイダーの息子で正義に組みして忽然と姿を消したルーク・スカイウォーカーの行方を探す話となる。そして主人公は砂漠の惑星ジャクーでひとりで暮らしている若い女性レイであり、レイを助力する帝国軍から脱走した若い男性フィンである。
ひょんなことから知り合ったふたりは、レイア軍のパイロット・ポーの相棒ドロイドのBB-8と共に帝国軍の猛追を逃れながら、ハン・ソロやチューバッカと出会いルークを探す困難な旅を続けることになる・・・・という内容だ。
とにかく30年前よりもバージョン・アップした特撮の魅力がすばらしいので、退屈せずに見られる大作となっているのだ。これぞ正月映画という風格があり、特に主人公レイを演じるデイジー・リドリーの魅力は、この作品に華を添え「スター・ウォーズ」はじめての女性の主役の役割を立派に勤めた。
さらにハン・ソロはやチューバッカ、レイア姫など旧の主要登場者などにもJ・J・エイブラムス監督は、特出でなくオイシイ役どころを与えているので、新旧のファン双方にとっても満足させる憎い演出をしている。そして、おなじみドロイドR2-D2、C3-POはどうしたというファンにとってもサプライズ演出があるので、お楽しみに!
正月作品に大作の娯楽映画を待つ観客にとって格好の作品だったのがうれしい!!
ぼくのチケット代は、お年玉つきで2,300円出してもいい作品でした。
星印は、3つ差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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