大富豪の汚れた金を壮大なマジックで暴き、奪った大金を庶民にばらまく天才的マジック集団<フォー・ホースメン>の活躍ぶりが、再びパワー・アップしてスクリーンに戻ってきた。今回のターゲットは、全世界の個人情報の横流しを企む大手IT携帯電話企業。その不正を暴露しようと図るものの、天才的エンジニアである若き経営者の策略に嵌まり苦戦するというスリリングな内容となっている。<フォー・ホースメン>に真っ向から立ちはだかる悪役の若き経営者に「ハリー・ポッター」シリーズのポッター少年に扮したダニエル・ラドクリフが立派に成人して演じているのも話題のひとつである。
保険会社経営者アーサーの汚れた大金を、マジックによって庶民にばらまいた<フォー・ホースメン>はFBIの追及を逃れ地下に潜伏していた。がマジシャンの秘密結社アイの指令によって、大手IT企業オクタ社のNYのイベントに潜入し、携帯電話事業に隠された個人情報の横流しの不正を暴くグランドイリュージョンを再開する。
計画は成功したかに見えたが、オクタ社の若き影のCEOであるウォルターの策略により窮地に陥る。緊急脱出を果たしたものの着いた所はマカオ。それもウォルターの計画だったのだ。それは<フォー・ホースメン>のマジックを使って地球上の全コンピューターに侵入できるチップを厳重な警備をしている場所から盗ませる事だった。
得意のカード・マジックを使ってチップを盗む事に成功した<フォー・ホースメン>だったが、ウォルターの科学的技術による個人情報を読むテクノロジーによって、ウォルターの裏をかく計画はすべてバレており辛くも脱出したロンドンで、ウォルターの科学的テクノロジーと<フォー・ホースメン>のマジックは大晦日の日に激突する。
さあ、果たして<フォー・ホースメン>のグランドイリュージョンは、ウォルターの天才的テクノロジーに勝つことが出来るのか…?
緻密な脚本による大掛かりなグランドイリュージョン演出で、観客の目を鮮やかに騙してくれるワクワク感のある前例に比べて、今回はより派手なショー的雰囲気を演出の基幹とした分だけ、少し棚落ちした感じはあるものの、観客を楽しませるエンターテインメントな作品としての役割に関して及第点を出せる内容となっていた。
ぼくのチケット代は、2,000円出してもいいと思う作品でした。
星印は、3つ差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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