アーサー王と円卓の騎士、そして聖なる剣〈エクスカリバー〉。超古代のブリテンの伝説王。現代のゲームでも人気者のキャラとして登場する英雄。
そんなアーサー王伝説をガイ・リッチ―が手掛けるなんて、どんなファンキーな話しになるのか期待して見た。結果、予想通りのはじけた内容となり、個人的にはぼくは満足してしまった。それにしても、スラムで育ったアーサーが、スラムの仲間たちと協力して叔父の魔術師王ヴォーディガンを倒す!なんて話、よく考えたもんだね。
お話は、アーサー(チャーリー・ハナム)の父、ユーサー王(エレック・バナ)を殺したユーサー王の弟、ヴォーディガン(ジュード・ロー)が王位についた後、小船で逃れたアーサーは、ロンドンのスラムの娼婦たちに救われ、彼女たちの庇護で育ったという設定。年月が経ち若者に成長したアーサーは、スラム育ちの仲間のリーダーとしてワルサをするが、スラムの人々からは親しまれる存在になっていた。その頃、突然川の潮位が下がり岩に突きささった剣が姿を現した。その剣は誰が挑戦してもビクとも抜けない代物。アーサーはある事情からイヤイヤ挑戦させられた結果、剣は抜ける。それこそ聖なる剣〈エクスカリバー〉であり、アーサーを王として認めた証しとなる。悪王ヴォーディガンは、アーサーを亡き者にしようと襲うが、魔術師マーリンの女弟子メイジ(アストリッド・ベルジュ=フリスベ)の手助けや、スラムの仲間たちの加勢でアーサーはヴォーディガンの軍勢に立ち向かう、そして・・・。
ガイ・リッチーのファンキーな演出が冴え、日本の時代劇を思わせるソード・アクションの数々を全編にわたって楽しませてくれ、陽気で活発な内容の作品となっており、とにかく面白ければそれで良し!の精神が横溢する娯楽映画の王道を突っ走る楽しい作品となっていた!
ジュード・ローが『シャーロック・ホームズ』のワトソン役と異なる徹底した悪役を楽しそうに演じており、アーサー役のチャーリー・バナムのマッチョぶりもカッコいい!ぼくは、女魔術師メイジを演じたアストリッド・ベルジュ=フリスベの気色悪いくせにチャーミングな役作りに拍手喝采だった!
ぼくのチケット代は、2100円出したい作品でした。
星印は3ツ差し上げます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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