前作「フォースの覚醒」でレイがルークに会うシーンの直後からという設定ではじまる今作は、厳しい秘密主義でファンにとってどんな物語が展開するのか皆目予想もつかず、ワクワクドキドキしながら待っていたと思うが、152分という長尺にも関わらず最後まで垂れることなく楽しむ事のできる内容になっていた!とぼくは思う!
フォースの感応者であることに目覚めた孤児のレイ(デイジー・リドリー)は、アーク=トウ惑星(最初のジェダイ寺院のあった場所らしい)に潜むルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)を探しあてた。だがルークは頑なにレイのジェダイへの修行を拒否する。ルークの心は闇の中にあったのだ。それはレイアとハン・ソロの子供カイロ・レン(アダム・ドライバー)の修行を引き受けたもののレンの心の闇に戦慄を覚えて放逐したトラウマに悩まされていたのだ。その頃、レイと行動を共にしていたストームルーパーからの脱走兵フィン(ジョン・ボイエガ)は、危機的状況に陥っていたレイア姫(キャリー・フィッシャー)の仲間たちと、カイロ・レンの率いる軍団の中枢に攻め込もうと画策していた。果たして、レイはルークの指導を受けられるのか?ルークの暗黒となった精神は復活できるのか?そして、レイと別行動をとるフィンの一隊は首尾よくカイロ・レンを倒せるのか?別々の目的で行動するレイとフィンが邂逅できる時間は残されているのか!宇宙の星間を駆け巡る<スター・ウォーズ>の戦いの火蓋が切って落とされた・・・。
ルークとの邂逅からフォースへの真の覚醒を目指そうとするレイの行動。レイア姫を守るため献身的に行動するフィン。このふたりの行動をない交ぜにしながら進む今回の作品は、ふたりの行動を軸にすっきりと物語りとして整理され、小気味のいいテンポで展開されていく。だからはじめて「スター・ウォーズ」を見る観客にもよく内容の理解を得ると思う。さらに「フォースの覚醒」を見たファンの方も、レイという新しい女性の主人公の登場によって、多少戸惑いながら見た方も、この作品でなぜレイが主人公なのかを納得できる作りになっているし、二部構成として表裏一体の前作「フォースの覚醒」をもう一度見直したくなるのではないか、と思う作りのいい作品となっていたのだ!
ぼくのチケット代金は、2300円出してもいいと思う作品でした。
星印は、3ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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