08年から放送された大ヒットTVドラマの映画化作品。
日本医科大学の附属病院で設置されたドクターヘリをモデルにして作られたこのTVドラマの影響は大きく、08年以降から全国の緊急救命の医療現場でドクターヘリの整備が進んだと言われる。
10年間、多くの困難な医療に携わり、お互いを支え合ってきた藍沢耕作(山下智久)緋山美帆子(戸田恵梨香)白石恵(新垣結衣)藤川一男(浅利陽介)冴島はるか(比嘉愛未)の5人もそれぞれの目指す道に進む用意をしはじめた。
そんな時、ドクターヘリのチームに2つの大事故が降りかかってきた。成田空港へ航空機が緊急着陸での事故と、東京湾・海ほたるで巨大フェリーが岸壁に激突し、それぞれ多数の死傷者を出すという大惨事が起こる。千葉にあるドクターヘリのチームに緊急救命要請が入り、チームは二手に別れて急行する。藤川との結婚式を間近に控えた冴島はるかは、成田で重傷を負った未知(山谷花純)という若い女性を看護するが、未知が結婚を約束した直後末期ガンを宣告された女性と知り暗澹とした気分になる。白石恵は、シカゴの大学にスカウトされ支度をするため一時帰国した藍沢と共にフェリー事故を担当し現場に駆けつけるが、頼りの藍沢がフェリー内で感電し意識不明となるアクシデントで現場の責任者となる想定外の出来事にパニック状態となる。そんなこんなで騒然となる出動チームと病院内。そんな混乱の中、冷静沈着な救命救急部長(椎名桔平)の指導の下、ドクターヘリのチームの懸命な救助活動がつづくのだが・・・。
TV版よりもスケールの大きな2つの事故で救助救命をドラマの核として、藍沢と緋山のキャリアアップの話し、藤川とはるかの結婚話し、恵の試練などを盛り込みながら展開する映画版は、そんなの有りか!という突飛な設定をさけ、リアリティを重視した流れに終始する西浦監督の演出に好感を持てる内容となっていた。TV版を知らずに見る観客にもよく理解できるドラマ構成にしているので夏休みには、お勧めの作品であった。
ぼくのチケット代は、2000円出してもいい作品でした。
星印は、3ッさしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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