82年に登場した「ランボー」シリーズは、この作品で5作目。あれからもう37年が過ぎたんだ!今回は戦場ではなく愛しい家族を奪われたランボーの激烈な復讐を描いた内容となっている。
もう年老いたランボー(シルベスター・スタローン)は、アリゾナの広大な牧場で古い友人マリア(アドリアナ・バラッザ)と、大学入学を控えた孫娘ガブリエラ(イヴェット・モンレアル)三人の[家族]として平穏な生活を送っていた。活発で頭脳優秀なガブリエラは、ランボーが幼い頃より養ってきた手中の珠の存在であり、彼の生きがいのすべてでもあった。そんなガブリエラが、幼い頃ガブリエラと亡き母を捨て行方不明になった父がメキシコで暮らしている事を友人の電話で知りメキシコに会いに行きたいと言う。マリアもランボーも反対するが、ガブリエラは無断でメキシコに行き、その地で人身売買カルテルに拉致されてしまう。たった一人で修羅の道を歩んできたランボーが、はじめて手に入れた愛する[家族]との平和な生活を奪われたのだ!激怒の塊となったランボーは、慈しんできた[娘]を救出するため、メキシコに赴くのだが・・・。
ラスト・クライマックスでの、元グリーン・ベレーのあらゆるスキルを駆使したトラップの数々で、壮絶な復讐をするランボーの鬼気迫る戦いが最大の見せ場となるこの作品は、そのシーンのために作られている感のある内容となっている。なので、前半の[家族]三人の平穏な生活はランボーの激怒に感情移入させる手段として丁寧に描写されているが、一転してその静から動となる復讐シーンになると、ランボーの一人芝居と化した大雑把な展開になってしまうのだ!密かに忍び寄りグリーン・ベレーらしい緻密な手段で復讐を遂げていく!という内容を期待したランボー・ファンにとって残念な作品になっていたのだ。
ぼくのチケット代は、1800円ぐらいかなと思う作品でした。
星印は、2ッ半かなと思います。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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