新型コロナ・ウイルスの影響で日本中の映画館が休館となり、新作映画を紹介できなくなりました!日本の文化物を観覧する行事が全滅状態です、いや世界中か!という事で、旧作の中で是非DVDなどで見て欲しい作品を紹介するコーナーにしばらくの間(心の底から<ほんのしばらく>となって欲しい)つき合ってください。
そのはじめはインド映画です。「踊るマハラジャ」でインド映画は陽気に歌って!踊って!騒ぐ!ただ脳天気な娯楽映画のイメージをもつ人が多いのですが、これはインドの風習で恋愛でのキスシーンは出来ないので、そんな愛し合うシーンでは盛大に歌い・踊ってそれをイメージさせていたのです。しかし、インド映画はハリウッドよりも製作本数が多くなり世界への普及を映画界が戦略としはじめてから、内容がグレードアップし、すばらしい内容の娯楽作品が続々と製作されはじめました!その中の一本が「女神は二度微笑(ほほえ)む」なのです。この作品は、おそらく世界のサスペンス物の中でも5本の指に入る傑作と思います。緻密な伏線、二転三転する展開、そして「えっ!」とのけ反るラストシーンへの突入など、娯楽映画の粋を集めた手に汗にぎる内容に、随所にユーモアをちりばめた作品となっているのです!「きっと、うまくいく」そしてこの作品でぼくはインド映画にはまってしまったのです。なぜかシネコン系(上映時間が長いのが多いせいか?)ではあまり封切らず大分県では単館系のシネマ5での上映が多いのです。これもそう!
インドのコルカタで地下鉄の毒ガスによるテロが発生した2年後。失踪した夫を探すため、身重の妻ヴィディヤ(ヴィディヤ・バラン)がロンドンからコルカタにやってくる。しかし宿泊先にもインドでの勤務先にも記録は一切なくヴィディヤは途方にくれてしまう。そんな彼女に同情した若い警官が行方をさがす手伝いをするのだが、凄腕の殺し屋がふたりをつけ狙いはじめる。なぜなのか?そこからは一気加勢に二転三転する怒涛のごとく先のよめない展開へと進みはじめる。なぜ自分たちがこんな危機に襲われるのか分からないまま防戦一方のままからくも逃れるふたりは果たして助かるのか?そして最後に驚愕のどんでん返しが訪れるが・・・。
手に汗にぎるサスペンス!そして思わずプッとふき出すコミカル描写の楽しさ!そしてインド映画の女優の見ほれるような美貌にも注目なのです!
ぼくの星印は、文句なしの5ッ星をさし上げたい作品だったのです。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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