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オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁

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   2019/11/19

衛藤賢史のシネマ教室

役所広司が中国人の山岳救助隊長役で主演した日中合作のスペクタル大作映画だ。

世界最高峰のヒマラヤ山系を取り囲む複雑な関係を持つ国家が、この地域の平和を維持するための地域会議を開催することになる。だが、会議前に、そこで交わされる機密文書を積んだ輸送機がエベレストで墜落する。その頃、中国の民間山岳救助隊<Wings>は、民間ゆえの資金難に悩まされていた。リーダーのジアン・ユエシュン(役所広司)は、創設以来の仲間がインド軍から高額の金額で依頼されたその輸送機の捜索を、インド軍の特別捜査官2人を伴ってガイドする事を承知する。その金額があれば救助隊を維持できる、という思惑があった。墜落した場所はエベレストでも最難関のデスゾーンと呼ばれ登山家も恐怖する、標高8848m、この時期、氷点下50度という苛烈な場所であり、エベレストを知り尽くしたジアンしかガイド出来ない地点であったのだ。チームを結成したジアンはチベットに赴き出発する。その中に新入りの有能だがなぜか単独行動をする女性隊員シャオタイズ(チャン・チンチュー)をジアンは加えていた。ジアンは娘をエベレストで亡くしていた。その面影をシャオタイズに写していたのだ。若いヘリコプター・パイロット(リン・ボーホン)は、そんな無謀な行動をするシャオタイズの気性を冷やかしながら愛していた。順調にいくかに見えた捜索だったが、デスゾーンに近づくにつれエベレストは牙を剥いてきた。雪崩や人を拒むデスゾーンの強烈な自然の厳しさに悩まされながら、ジアンを中心とするチームはインド軍特別捜査官をエスコートしながら輸送機の墜落現場に到達するのだが・・・。

エベレストの雄大な描写は、映画ならではの大画面の効果でこの峻烈な風景を満喫させてくれる。しかし、残念ながら肝心のストーリー構成が荒っぽいのだ。輸送機墜落に関わる国際的陰謀がどういう事なのかがさっぱりわからないし、途中からジアンとシャオタイズの行動がふたつの話しに分裂する構成など不可解な内容となって見る観客を当惑させ迷路に入ったような感覚にさせてしまうのだ。何かしら出たとこ任せのイージーな演出に悩まされる内容に、最後までぼくらは振り回される作品であった。
ぼくのチケット代は、1500円ぐらいかなと思う作品でした。
星印は、2ッさしあげます。

5点満点中2点 1500円

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