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ダンスウィズミー

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   2019/08/20

衛藤賢史のシネマ教室

常に自身のオリジナル脚本で映画作りをする矢口監督の新作。今回はミュージカル・コメディに挑戦してきた。

小学生の頃から学業・クラブ活動で<勝ち組>を維持してきた鈴木静香(三吉彩花)は、難関の大学を卒業後、人もうらやむ一流商社に就職し人生を謳歌している。ある日、姪の世話を頼まれた静香はしぶしぶ遊園地におとずれた。そこで怪しげな催眠術師(宝田明)のショーを、姪にせがまれ入場するが(姪は小学校の学芸会でミュージカルに出演するため、その催眠術師に上手く踊れるよう頼む)、一緒につきあった静香の方が術にかかってしまう。というのは静香の人生唯一の屈辱は、小学生の頃の学芸会でのミュージカルの主役で見事に失敗した苦い経験がトラウマにあり、静香だけがかかってしまったようなのだ。その日から静香は、あらゆる音楽に勝手に躰が反応し「曲が流れると歌って踊らずにはいられない」状態に陥って、重要会議や憧れの人との食事を無茶苦茶な混乱にさせてしまう事になってしまう。困った静香は、術を解いてもらおうと遊園地にいくが催眠術師は行方不明。しかし催眠術のサクラでの助手をしていた千絵(やしろ優)を見つけ、彼女と催眠術師の行方を探す旅に出かける。千絵のボロ車に同乗して静香の新潟から北海道へと催眠術師の足跡をたどるトンチンカンな旅がはじまった。途中で売れない歌手(chay)と知り合い、三人は北海道までいくのだが・・・。

催眠術に見事にひっかかってしまった静香が、大切なプレゼンの途中に聞こえてきた音楽に乗り踊り狂う様や、憧れの彼とのゴージャスなレストランでの食事中、音楽に合わせて歌い踊るミュージカル・シーンでの三吉彩花のダンスは若々しい躍動感があり見ていても楽しいのだが、肝心の千絵との北海道までのロード・ムービーになると、ドタバタ喜劇風の演出となりミュージカル・シーンが雑になってしまうのだ。流れる音楽は日本の曲にこだわる矢口監督の日本風ミュージカルを撮りたいという意図はよく分かるのだが、これではミュージカルもどきの内容となってしまい、ストーリー構成も後半は出たとこまかせ状態でちょっとシラケてしまった作品であったのだ!
ぼくのチケット代は、1600円出してもいい作品でした。
星印は、2ッさしあげます。

5点満点中2点 1600円

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