すっかりハリウッド映画の興行成績の顔となった「ワイルド・スピード」は、この作品でもう9作目となった!主役の顔ぶれも変わり現在はドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムのマッチョな2人がごつい体を駆使して活躍する内容となっている。
欧州で致死量の細菌兵器が盗まれる事件が起こった。元FBI捜査官ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)と、元MI6エージェントのデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)は、それが仇敵ブリクストン(イドリス・エルバ)の仕業と判断し捜査に入る。
ホブスとショウは会うといつもいがみあう天敵同士の間柄。今回も会うと殴り合いの様相を呈しアメリカとイギリスの部局職員たちは戦々恐々の有様のなか、ふたりは罵り合いながら細菌兵器の行方を探す。
じつは細菌兵器を盗んだのはショウの妹ハッティ(バネッサ・カービー)であり、彼女はブリクストンに奪われないよう自分の体に細菌を注入していた。最新の技術で肉体を鋼鉄化したブリクストンの強さは半端ないものになっていた。ホブスとショウは、ハッティを保護するため行方を探すことになる。しかし、ブリクストンも科学技術を満載した体によってハッティを容易に探し出し、細菌を体から取り出そうとする。
ようやく、ハッティを救ったホブスとショウは、ホブスの故郷であるサモアに連れていき、ホブスの兄弟たちに協力してもらいハッティの体から細菌を取り出す作業をはじめるが、ブリクストン一味もそれを探知してサモアにやってきた。サモアの強靭な肉体と原始的武器でのアナログな戦法と、ブリクストンらの科学技術を駆使しての戦いの幕が切って落とされた・・・。
緻密なストーリー構成など無視し、もっぱら観客が拍手喝采するドウェイン・ジョンソンの人間離れした超マッチョな肉体による格闘技と、ジェイソン・ステイサムの流れるような無駄のない格闘技を楽しむ内容のこの作品は、もうひとつの売りの猛烈にカーチェイスを加えてこれでもか!と楽しませることに徹しているのだ。この作品はそれでいいのだ!と考える演出にもう内容は粗筋があればいいと確信したデビッド・リーチ監督はスピーディな展開に拍手するしかないのだ。
ぼくのチケット代は、2100円出してもいい作品でした。
星印は、2ッ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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