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衛藤賢史のシネマ教室

ワイルドスピード

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   2013/07/09

2001年にストリート・カーレースからはじまった『ワイルド・スピード』シリーズは、その超絶的カー・アクションで人気が爆発し、メキシコ・日本・ブラジルへと舞台を世界に広げスケール・アップしてきたが、シリーズ6のこの作品では、ヨーロッパへ舞台を移し、さらに過激なカー・チェイスに筋肉の塊のような重量級の男性たちの肉弾戦、しなやかな肉体の女性のキャット・ファイトなどなどド迫力をテンコ盛りした痛快な作品となっている。
ブラジルの事件で裏社会を牛耳る黒幕から1億ドルを強奪したドミニクたちは、世界各地に散らばって潜伏していたが、宿敵であるFBI特別捜査官ホブスがドミニクの元に現れた。ホブスはヨーロッパを拠点にした国際犯罪組織を捜査していたが、その仲間の中にブラジルで死んだはずのドミニクの恋人レティがいることを知らせ、捜査の協力を求めてきたのだ。ドミニクはFBIの潜入捜査官から仲間に転じたフライアンと共に、仲間を招集し、ホブスと組んで協力な国際犯罪組織に立ち向かいながらレティの行方を探していくが、元SASの隊員で手強いショーを首領とする組織の非情さはドミニクたちの予想を超えるものであった・・・・。
シリーズ3作から演出を受け持った台湾出身のジャスティン・リン監督の演出の冴えはこのシリーズをパワー・アップさせメガ・ヒットさせた大きな要因となっていたが、この作品でもそのパワフルな手腕は健在であり、戦車まで登場させるカー・チェイスのド肝を抜く迫力、加えて凄まじいアクション・シーンの数々など、巻頭シーンからラストまで、これでもかこれでもかと怒涛のようにノンストップで突っ走る迫力ある演出は、これぞエンタティメント!と唸りたくなるカッコよさに満ちている。
ドミニク役のV・ディーゼル、ブライアン役のP・ウォーカー、レティ役のM・ロドリゲスなどに加えてJ・リン監督が5作目に新たに創意したFBI特別捜査官ホブス役のドウェイン・ジョソンのド迫力ある演技が今回も生きており、さらに今度は女性格闘家ジーナ・カラーノを起用して、そのムエタイ技を存分に見せるサービスをするなど、適材適所でよっしゃぁと掛け声をかけたくなる俳優を活躍させる手腕も、この作品が観客から支持される大きな要素となっているのだ。
映画は何も派手なCG技術だけでなく、生身の人間たちがぶつかり合って活躍するワクワク感がスクリーンにはじけて観客が本当に満足してくれることを知っているのだ!
ぼくのチケット代は、2,100円を出してもいいと思う作品でした。
星印は、そのサービス精神に3つ差し上げます。

5点満点中3点 2100円

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