快調なテンポで観客を一気に奇想天外な物語の中に引っ張り込む手腕は、見事である!と唸りたくなる面白い娯楽作品となっている。
それぞれがマジシャンとしての特技の違う4人が、謎の人物から召集され<フォー・ホースメン>としてチームを組み、ラスベガスでデビューし満員の観客の前で、パリにある大手の銀行の金庫から300万ユーロの大金を消失させるという破天荒にマジックを見せ一躍有名になるが、FBIに拘束され特別捜査官ディランとパリから派遣されたインターポールの捜査官アルマの取調べを受けるも、犯行の証拠を証明できずに釈放される。4人はFBI・インターポールを挑発するかのようにニューオーリンズで大富豪でパトロンであったトレスラーの銀行口座から1億4,000万ドルを、観客たちの口座に移し変える、というマジックを披露し、捜査官たちをカリカリさせる。
どんなマジックにもタネがあるのを証明し、幾多の有名マジシャンの秘密のタネを暴露しそれを金儲けの材料にしている元マジシャンのサディアスは、この<フォー・ホースメン>の超大掛かりなマジックの秘密を明かそうと狙っていた。
今や庶民からは義賊扱いされる<フォー・ホースメン>のマジックは大人気となり、FBI・インターポールは警察の威信を賭け広範囲な捜査網を敷き、この4人組を追い詰めようと躍起になる。これにサディアスも加わり、次第に<フォー・ホースメン>も劣勢に見えた時、今度はニューヨークで黒い噂のある警備会社の隠し金5億ドルを金庫から消失させるというマジックを発表する。
絶対絶命のはずの<フォー・フォースメン>のマジックは本当に出来るのか?
最後のマジック・ショーがはじまっていくのだが・・・・。
いやあ!面白かったです。はじまりからグイグイ引っ張り込んでいくルイ・レテリア監督の演出手腕は見事であり、アッという間にこの奇想天外な展開に引っ張り込む力量に唸らされてしまって、この今まで見たことのないマジックの世界に浸ってしまう。
そしてラストのオチには「アチャーやられた」と頭を抱えながらハッピーな余韻を残す小粋な作品となっているのです。
出演俳優たちもみんな魅力的なのですが、インターポール捜査官のメラニー・ロランの魅力は久しぶりの正統派美女の登場という感じです!
ぼくのチケット代は2,300円出してもいいと思う作品でした。
星印は、4つ差し上げたい作品でした。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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