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パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海

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   2013/11/05

衛藤賢史のシネマ教室

ギリシャ神話では、神と人間の間に生まれた子を<ヒーロー>と呼び、神と同じような能力を有するが、神と一点だけ違うのは可死の運命を持つことである。例えばアキレスとかヘラクレスなどがそれであるのだ。
そして、リック・リオーダンの児童文学によって21世紀のアメリカで誕生したパーシー・ジャクソン君も大洋を支配するポセイドンと人間の女性との間に生まれたヒーロー(半神)なのだが、今いち自分の能力に自信がないアメリカ少年という愉快な設定となっている。
CG技術が急速に進化し、どんな超常現象もスクリーンで再現できる21世紀の映画では、新たなヒーローとして最適な主人公かも知れない。
2010年に第一作が映画化され好調な興行成績を収めたこの作品が、3年を経ずしてこの第二作が出来たのは、シリーズ物として成功しそうな作品と見たのだろう。
今回はスペインの画家ゴヤの名作である『わが子を食らうサトルゥヌス』で有名なゼウスの父ウラノス(サトルゥヌス)を復活させようと企むヘルメス神の子である半神ルークの陰謀を阻止しようと、パーシーとアテナ神の子である半神アナベス、戦いの神アレスの子の半神クラリサ、サテュロス(半人半獣)のグローバー、パーシーの異兄弟となるポセイドンとニンフの子であるキュクロプスのタイソンがバミューダ・トライアングルの魔の海へ赴く内容である。
ギリシャ神話の重要な項目である[アルゴー探検譚]の金の羊毛話しを物語の大事なキーに入れたり、馬を作ったと言われるポセイドンの神話にちなんで海馬が登場するなど、ギリシャ神話の好きな人へのサービスも盛り沢山あるので楽しく見れること請け合いとなっている。
ギリシャ神話の基本的知識を巧みにアレンジしながら、そこに展開する物語はアメリカの若者たちの青春ドラマという設定は、確かに斬新なアイデアでありシリーズ物として十分に受けそうな要素を有する作品となっているのだ。
ぼくのチケット代は2,000円を出してもいい作品でした。
星印は、3つ差し上げます。

5点満点中3点 2000円

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