高校生として暮らしながら、ニューヨークの街でスパイダー・マンとして活躍するピーター少年の青春生活を描くシリーズ2作目は、切ない事情を抱えたままスパイダー・マンと戦う羽目になる敵役エレクトロとの対決を中心に展開する。
トビー・マクガイアが主演した『スパイダー・マン』(2002)ではヒーローと化した高校生ピーターが、その代償として得なければならなかった孤独という思いがよく伝わった作品であったが、<アメイジング>シリーズでは、ヒーローを喜々として楽しむスパイダーマンというポジティブな設定とし、明るい青春ヒーローとしてリニューアルされてきてヒット作となった。
今回もそのノリで展開していくが、前作とは異なりラストは悲哀を感じさせる作りになっている。
まず出だしは、ピーターの両親の飛行機事故からはじまる。
その話は大企業オズコープ社とピーターの両親の関係としてラスト近くで明かされるが、前作同様ピーター少年のスパイダーマンは、高校の卒業式の日でもニューヨークの人々を救うことに生きがいを感じてワルをやっつけるために活躍している。
そんなピーターを支えてくれているのが恋人のグウェンだった。
ある日、スパイダーマンは超ワルのロシアン・マフィアのアレクセイを追撃中、電気技師のマックスを助ける。気が弱く誰からも注目されないマックスは優秀な技師であるがそんな弱い性格ゆえスパイダーマンに憧れていたので余計感激してしまう。
そんなマックスがオズコープ社での事故で電気ナマズの水槽に落ち、恐るべき電撃魔人エレクトロに変身してしまう。さらにスパイダーマンにバカにされたと勘違いしたエレクトロは、スパイダーマンに憎悪を持ちスパイダーマンと対決する。
その頃、オズコープ社の跡取り息子ハリーも問題を抱え親友ピーターと決別し、スパイダーマンにグリーン・ゴブリンと化して襲いかかる。
絶体絶命の状況に恋人グウェンはスパイダーマンを守ろうとするが・・・。
CGのフル活用で魔人エレクトロ、グリーン・ゴブリンの電撃・高速グライダーのマッハの戦いを交わすスパイダーマンの自在な蜘蛛の糸作戦が見物であり、素直にそこを楽しむ娯楽作品として見て欲しい内容となっている。
ぼくのチケット代は、1,900円を出してもいいかなと思う作品でした。
星印は、2つ半さしあげます。
“映画評論家ではない”衛藤賢史先生が「観客目線でこの映画をどう見たか?」をお話するコーナーです。
星:観客目線で「映画の質」を5点満点で評価
チケット代:観客目線で「エンターテインメント性、楽しめるか?」を評価(1,800円を基準に500円から3,000円)
【衛藤賢史プロフィール】
えとうけんし・1941年生まれ・杵築市出身
別府大学名誉教授
専門:芸術学(映像・演劇)映画史
好きな作家:司馬遼太郎/田中芳樹
趣味:読書/麻雀/スポーツ鑑賞/運動
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