今回は、わたしたちの生活に身近な存在“香り”について、
小川香料おおいた佐伯農場株式会社、代表取締役の上野俊輔さんにうかがいました。
小川香料は東京都中央区に本社を置く会社で1893年創業、今年129年目を迎え、
香料の研究、開発およびその他関連製品の香料の製造・販売を手掛けています。
国内外に研究開発拠点と製造拠点を持つ老舗の会社です。
香料は大きく分けて二つあり、食品などに使われる“フレーバー”と呼ばれるものと、
香水や柔軟剤など食品以外のものに使われる“フレグランス”があります。
小川香料は2019年に大分県と香りの連携協定を締結し、佐伯市に拠点を置き、事業をスタートさせました。
自社の農園で香料に使う作物の栽培から製造販売まで一貫して行うのは日本では小川香料だけなのだそうです。
これまでに、かぼす、ベリーツ、畳表の七島藺などの香料を研究されてきたという事で、
スタジオにかぼすとベリーツの香料をお持ちいただきました!
かぼすはまさしく果汁を絞った時の爽やかな香りで、
ベリーツは、ベリーツ特有の豊潤な香りが広がり、まるで口に含んだかのように感じました!
香料を作るには、化学合成で香料を作る方法と天然原料を使って作る方法があり、
上野さんは、天然の原料、農作物を使うほうが香りに深みが出ると話していました。
また、佐伯市の農場では、現在、柑橘類の中では最も需要があるレモンを栽培しています。
レモン栽培は佐伯市の気候が合っているということで、今年はさらに栽培面積を広げていくそうです。
「大分県産の農産物を使って香料を作り様々な商品に反映させることにより、食品にとどまらず広い分野に展開できる。
そうすれば魅力ある大分県産品の知名度やブランド力も上がり、地域振興にもつながるのでは。
まだ始まったばかりの事業だが、粘り強く頑張っていきたい」と上野さんはおっしゃっていました。
世界的にみると柑橘の中で有名なのはゆずで青果としてのゆずの認知度は低いそうですが、
ゆずの香りが先行して認知されたということで香料の果たす役割は大きいんですね。
小川香料はほかにもかにかまの香料などもてがけているそうで、
どんな食物のどんな部位から香りを採取しているのか未知の世界でわくわくします!
上野さんは大分に引っ越してまだ1か月ということでしたが、
佐伯のおいしいお魚など食が豊かだと大分を気に入ってくださっている様子で嬉しかったです(^^)
上野さんありがとうございました!!
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