大分県内では今年、史上最短の17日間で梅雨明けしました。
農業資材の高騰や猛暑などで県内のほとんどの農家さん達は大変な状況に直面しています。
今回は、「気候変動と大分の農業」というテーマで、国東半島宇佐地域 世界農業遺産推進協議会 会長で
お米、しいたけの生産者でもある林浩昭さんにお話をうかがいました。
林さんは、1960年国東市生まれで東京大学を卒業後、東京大学大学院の助教授経て、
地元国東市にUターンし、農林業を営みながら世界農業遺産の認定活動などに関わってこられました。
現在は大分県農林水産研究センターの顧問でもあり、OBSラジオでもコメンテーターとしてお馴染みです(*^▽^*)
史上最短の梅雨と猛暑の影響を受けている県内の主な品目は「しいたけ」と「お米」です。
全国的にはぶどうや梨、トマト、ミカン、ネギなども影響を受けています。
大分県で最も多く生産されているお米の「ヒノヒカリ」は高温に弱く、
温度が高いと「白未熟粒」や「同割粒」などが発生し、品質が低下してしまうそうです。
「原木しいたけ」は今、特に注意している品目で、夏場暑すぎると菌が繁殖せず、
冬場は“寒い”という刺激がないと成長に影響があるそうで、対策について技術を開発するなど研究がされているそうなんです。
林さんによりますと、先日県内の花き農家の方とお話をする機会があり、そのお話の中で、
大分より高緯度にある低地栽培地でも夏の高温による開花の異常で生産に影響がでているのですが、
県内でも中山間地にある産地では十分な気温差があり生産が安定しているということが分かったそうです。
地球規模の温暖化の影響を打ち消す“カギ”が、大分県の地勢条件にあるということなんですね!
県内の耕地面積の約70%が中山間地域にあります。
中山間地の農地をうまくまとめて新規就農の紹介などに繋げていけたら、
標高の高い地域の農業人口減少をくい止める一助になりそうですね。
林さんは、「気候変動は他人事ではない。これまで農業には不利とされてきた地勢を逆手にとって、
大分では以前から白ねぎ栽培などで行われている「産地リレー」を県独自の方法として取り入れるなど、
新しい品種の開発や技術の導入に挑戦していく事が大事だと思う。
また、生産者の苦労や工夫を消費者の皆さんにも感じてもらえたら…」とおっしゃっていました。
林さんのご専門は土と肥料ということで打ち合わせの段階から話が盛り上がりました。
ラジオでは、より噛み砕いてわかりやすく林さんが解説してくださっています。
ぜひradikoのタイムフリー機能を利用してお聴きください。
林さんありがとうございました!!また今後も出演をお願い致します。
©2024 Oita Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.